閃光のハサウェイⅡ
この記事では前回途中で終わった閃光のハサウェイのレビューの続きとなります。
総合的な観点で見ると、その映画は個人的な点数では有りますが90点以上の価値がある映画だと思います。
妙な人間関係
その理由はまず、ギギとハサウェイとケネスとのドラマがまず面白いんですよ。
ギギに正体を知られているハサウェイと、正体を隠さねばならないケネス。
ハサウェイは地球連邦政府のガンダム(ペーネロペー)と、ハサウェイの回収にやって来たマフティーが行う市街戦にギギと巻き込まれます。
彼女を捨てて仲間の元へ走れば全て解決しますが、ギギの感受性の高さや鋭い直感力にかつての想い人、クェスと重ねて危険な戦場にギギを取り残していくことが出来ません。
ダバオの戦闘
また、上空では南国の夜空に複数のモビルスーツが戦闘を行なっています。しかし描かれるのは、ギギと逃げるハサウェイを軸に戦闘の火花を受ける街や住民です。
ガンダムや巨大ロボットものの戦闘ではあまり描かれて来なかった、巨大ロボットの足元で起きている惨劇を中心に描かれています。
ガンダムに興味がなくてもこの惨劇は一見する価値があると思います。
統括
描写もとにかく鮮明で高級感が有ります。その中で聞く富野節とも言える小難しいセリフを聞いていると、ケネスやハサウェイが本当にエリートなんだなという説得感が有り、憧れてしまいます。
また声優さんの声や演技も忘れられない魅力を持っています。
ハサウェイを小野賢章さん、ギギを上田麗奈さん、ケネスを諏訪部順一さんが務めています。
小野さんはハサウェイの25歳にしては持っている辛すぎる過去を、若く張りが有りつつ半ば噛み締めるように話す事で、ハサウェイの身の上が平坦なものでなかった事を暗示しています。
上田さんもまだ19歳という設定で有りながら大人の様な色気を演出し時折見せる、まだまだ子供なギギの反応を違和感なく落とし込んでいます。
諏訪部さんはあの聞いたら忘れられない、味のある声で一発でケネスを諏訪部さんが演じていると見抜けます。
作中では大人の中の大人的な立ち位置で、いついかなる時でもどこと無い余裕感を声に内包させていて非常にカッコいいです。
上文で述べた理由により、閃光のハサウェイはSFのロマンとそこに息づく人々が魅力的で、僕の忘れられない名作となりました。
長々となりましたが、お付き合い頂きましてありがとうございました!
追記
閃光のハサウェイは2022年2月25日現在最初の15分だけYouTubeにて無料公開されています!気になった方は是非ご覧になってください!